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1944.png※歴史創作
※百合表現注意
※ゆかりんとは関係ないです。

*****

 私の同僚の和泉式部という人は、まあ、宮仕え初日はおとなしくしておりましたが、その後すぐに、うわさにたがわず品行の悪さを惜しげもなく披露してくれる、年齢を考えるとかなり感心できない方でした。
 つい3日ほど前もお若い殿方を局に引き入れて夜をお過ごしになられたようで、なおかつ、その後の対応がひどいこと。完全に一夜限りでその場限り、お相手はかなり燃え上がっていたらしいのですが、『一度くらいで恋人面しないでちょうだい』と言った内容のけんもほろろな、そのくせ素晴らしい出来の歌を送りつけて、あとは知らんぷりなのです。
「送ってきた歌もたいした内容ではなかったし、気配りもとても行き届いてないし、お話も稚拙。話にならないわ、そう思いません?」
 燈台の灯りを頼りに日記を書く私の真後ろで、あくびをしながら呟く和泉さんに、じゃあ、ヤるんじゃねえよ、この尻軽女、とツッコミたいことこの上ないのですが、私はこんな言葉を、時機を合わせて言うことなど、とてもじゃないですができませんので、黙って聞き流すことに致しました。
 和泉さんはいくつか歌を口ずさみながら私の髪をもてあそびます。正直、髪は特に自慢でも無いですので…みっともないと卑下するほどでもございませんけど…、触って欲しくありません。
 和泉さんの御髪は大変豊かで美しいもので、柔らかで艶やかで、黒々としております。肌は白く、声は清流のようなすがしさです。その清い声で、適当に思い浮かんだと思われる歌を呟かれているのですけれども、適当ですし理論はずれもいいところなのに、どうしようもなく魅力的で、天は人に二物も三物も与えるのだと思うと、少々私は腹立たしい気分にもなります。ただし、和泉さんの場合は、その行動が全てを台無しにしているような気もしないでもありませんが。
 和泉さんはどうも、恋の歌を詠んでいるようでございました。
 ああ、これはとても、熱く、ほとばしる情熱のような歌だと思いました。私は作ることは出来ますが、詠むことはできそうにない歌です。
「藤さんの御髪が細くて冷たくて触っていると気持ちいいわ」
 髪をなおもいじりながら、和泉さんは笑っておっしゃいます。
 藤式部、というのは私の呼び名です。藤原家の娘で、父が式部大丞でしたので、そう呼ばれております。私をこんなめんどっちい宮仕えに引きずり出しやがった御堂様や中宮様は、『源氏物語の紫の上にあやかって、紫式部と呼んでもいいではないか』とおっしゃっていただきましたが、私、そこまでイタイ呼び名は勘弁して欲しかったので、藤式部と呼んでくれと必死に頼み込んだものです。
 それはともかく。私はいいかげん、一人で静かに日記を書き綴りたいのですが、自分の局に帰れ、と言うのもはばかられ…なぜなら同年代の同僚ですから命ずるわけにもいきませんし、お願いするのは癪だからです…、黙り込んで無視をすることにしました。
「ねえ、藤さん。御髪のお手入れ、どうなさっているの?本当、ほつれもなく、いい感じ。この前の殿方なんて、私の髪を撫でるのはいいんですけど、ほつれたところも思い切り引っ張ってきて、本当、無粋だったのよ。そういえば藤さんはそゆとこも器用そうなお手をしてるわよねえ。自分、なーにもできません、不器用ですっていう顔して何でも卒なくやっちゃうんだから、器用よねえ。そのくせ、男の扱いが下手よねえ。御堂さまのお誘い遊びに真正面から付き合っちゃって、適当にあしらえばいいのに真面目に受け答えしちゃうから、御堂さまも引っ込みつかなくて、あたふたしてたわよねえ」
 和泉さんはとうとう、私の髪をぴんぴん引っ張り始めました。うぜえ。
「…何を書いてるの?紫さん」
 和泉さんが髪をひっぱりながら後ろから覗き込んできやがしました。
「その呼び方、おやめくださらないかしら、和泉さん」
 私はさすがにイラっとして、口を開きますと、和泉さんの清らかですが気に触る笑い声が聞こえてきました。
「だってえ、さっきから無視するし、何か書いているのかしらーとか思ったんですけど、ぜーんぜん、文字も書かずに筆を持ったまま硬直してるし。おかしいんですもの」
 和泉さんは普段はおとなしいのですが、時々、大変無神経で私の気に障ることを言うときがございます。ええ、まさに今とか。
「そんなに、同じ局で私が男を誘うの、お嫌、というかむかつくの?」
 私はため息をついて、後ろを振り返ります。そこには、同じ年の女とは思えないほどあどけない顔をした和泉さんが艶を含んだ微笑でちょこんと座っておりました。どうして、私とこの女が同じ局なのでしょう。もちろん、屏風で分けておりますので一応別の局なのですけれども、同じ空間内なのです。無論、内裏が焼けてしまったためのここは仮内裏。少々狭いですから、一つの局を二つに分けて使わざるを得ないのは仕方のないことです。けれども!
 どうして、よりによって同室がこいつなのでございましょうか。
 私は、たぶん、眉をひそめたまま、和泉さんの御髪を触ってみました。さらりとした御髪で、豊かな御髪で、ちょっと手入れが雑なのかところどころ痛んでおります。その部分を労わりながら、私はそっと撫でました。頭のてっぺんから、肩くらいにそって髪を撫でると、柔らかくて気持ちよいのです。
「藤さんの掌、今までで三番目に気持ちいいわあ」
 どのような褒め方なのでしょうか、それは。
「もう、黙りなさい」
 私は、くだらんことばかり放たれるその口を、自分の唇で塞ぎました。和泉さんがうっとりとして楽しんでいるのが伝わってきます。
 本当、どうしてなのでしょう。
 私の好みは、和泉さんなんかじゃなくて、とてもかわいくて華やかで品があって洗練されていて素直で優しい、年下の、たとえば宰相の君のような方であって、和泉さんのような知識は洗練されていなくて行いも品が無く、そりゃ男好きする姿形ですけれども浮かれ女などというあだ名がついているような方では、決してございません。
 唇を離し、和泉さんの小柄ですがふっくらと柔らかい体を抱き寄せると、頭の先が痺れていくような匂いの香が私の周囲に立ち込めます。耳元で、和泉さんが、また、とても情熱的な歌をそっと口ずさみました。
 それは、理論とか由緒正しき古歌なんぞをすっとばした適当なつくりの癖に、どうしようもなく抗いようも無い魅力に満ち満ちています。こーゆーバカ女にどうして天はこんな美しい歌詠みの才能を与えたのでしょうか。
 私はとてもよい香りに包まれた和泉さんの首筋に自分の顔をうずめ、清らかな声で奏でられるその天からの贈り物をうっとりと聞き続けたのです。
 悔しいくらい、うっとりと。

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書こう書こうと昔思っていて、結局きちんと書かなかったはず…1回書いたかな?な、紫式部×和泉式部。ガチンコ攻同士のセフレカプ。和泉は紫が上手いから誘ってるんです。紫はただの女好きです、そんな感じ。

なんか、せっかくの百合だったし、東方ブログは百合率が大きいので(笑)、こっちに置いてみました。年齢的には20代後半から30代半ばだと思うんですが、心の目でぴちぴちの17歳とかがいいです、和泉たま。かわいいよ、和泉たま、和歌は美しいのに行動が肉食系女子だよ和泉たま。まさにビッチ。
紫式部はただの女好きです。別にガチレズの人じゃないけど…怖いくらいかわいい女の子ウォッチングすげえ、とか思った。<紫式部日記
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はにわはに丸
同人誌とか作ってます。
効果アシになりたい…。
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